【自転車】初めてロードバイクを買うときに知っていると幸せになれること

こんにちは。ねこまんまです。
以前初めてロードバイクを購入する際に気にするとよいことを、私なりの観点でご紹介させていただきました。
今回はそれに加えて「知らなくてもそこまで問題はないけど、知っていると後々幸せになれること」についてご紹介したいと思います。
前提
前回の記事でもお話しましたが、きちんとしたロードバイクメーカーの10万円以上の製品であれば、実用上致命的な問題が生じるような構成にはなっていないはずです。
ですのフレームの形状やカラーリングなどの見た目にビビッときたものを選ぶ方法も全然悪くありません。(むしろ場合によってはそれが一番よい選び方のような気もします)
カタログやHPのスペック表に囚われ過ぎてまったく好みでない製品を買ってしまうと、購入後のモチベーションにも悪い影響を与えかねないですので、そういったことはほどほどにして、この記事も参考程度で見ていただければと思います。
購入前に知っていると幸せになれるポイント
4点ほど私の中で重要な順にご紹介したいと思います。
BB(ボトムブラケット)の規格
ボトムブラケットというのはクランクの軸になるパーツのことです。
出典 SHIMANO SM-BB9000
ペダルを回した力がクランクを通じてBBに伝わるわけですので、非常に重要なパーツの1つになります。
BBの交換について
BBには複数の規格があり、それはフレームの形状に依存します。
すなわちロードバイクを購入後に何らかの理由でBBを交換したくなったとしても、希望するBBに交換できるとは限らないということになります。
そのため購入しようと思っているロードバイクにどういった規格のBBが採用されているかを事前に確認しておくことで、購入後に後悔するリスクを減らすことができます。
また自転車の構造上、BBを取り外すにはクランクを外す必要があるため、交換の難易度は非常に高く、自転車屋さんにお願いするにしてもそれなりの工賃が必要になります。
圧入式のBBについて
最近のロードバイクは圧入式というBBが主流になってきたことで、BBの交換には金銭や手間の問題とは別で一定のリスクが生じるようになったと私個人は思います。
BBにはねじ山が切られていてねじのように回して取り付けるねじ切り式と、ねじ山が切られておらず、圧入する圧入式の2つがあります。(上記画像がねじ切り式、下記画像が圧入式)
出典 SHIMANO SM-BB72-41
圧入式は少し過激な表現をするなら「本来収まらない空間に無理やり押し込む」わけですので、フレームに対して一定の負荷がかかることになります。
新品のフレームにBBを圧入することについてはフレームメーカー、パーツメーカー双方で検証しているでしょうから問題ないと思いますが、繰り返し取り外し、圧入をすることに対しての検証なんかはそこまでしっかりやってないんじゃないかと個人的には思っています。
そんな背景もあってか一部メーカー(PINARELLOなど)ではねじ切り式を採用しているようですが、大半のメーカーは圧入式を採用しているのが現状です。
メーカーが圧入式を推す理由は「ねじ切り式より力がうまく伝達するから」、「フレームにねじ山を掘るコストが減るから」など諸説ありますが、末端の私たち利用者は今あるものから選ぶしかないですので、そこらへんはあまり気にしないことにします。
BBの規格の観点から見るロードバイクの選び方
前置きが長くなってしまいましたが、結局のところ「初めて買うロードバイクはどういったBBが採用されているものがよいのか?」というテーマについて私なりの考えを述べたいと思います。
私たちホビーユーザにとって大切なことは、信頼性、耐久性、快適性の3つだと思います。
それらが損なわれると、「楽しく、安心してロードバイクに乗る」という行為に支障が出てしまうからです。
パフォーマンス至上主義の超競技寄りの方を除けば、アマチュアとして活動している方の大半が上記に該当すると思います。
それらを前提とした上で私は「PFBB86」という規格のBBが一番よいと思います。
PFBB86は日本の自転車パーツメーカー「SHIMANO」が採用する規格です。
SHIMANOが製造していることもあって、密閉性、耐水性、耐塵性の高さに定評があります。
すなわち雨が降っている中で走ったり、路面状況があまりよろしくない道を走ったりしても、BBに異物が入りにくく、BBに関わるトラブルが発生しづらいということになります。
繰り返しになりますがBBの規格はフレームの形に依存しますので、該当規格のBBを採用するロードバイクメーカーがあって初めて実用化されることになります。
PFBB86を採用している大手のメーカーはGIANT、SCOTTなどが挙げられます。(TREK、Bianchiも一部製品にはPFBB86を採用しています。)
ほかのメーカーについてはPINARELLOのようにねじ切り式を採用しているところもあれば、SPECIALIZEDやcannondaleのようなメーカー独自規格の圧入式を採用するところもあったりと様々です。
使ったことが無いものをとやかく言うのはよくないと思いますが、ロードバイクメーカー独自規格のBBは、ネット上でも異音問題などあまりよい噂は聞きません。
最近はいくらか改善されてきているという情報も目にしますが、前述の通りBBの交換というのは簡単なことではないため、減らせるリスクは予め極力減らしていくのが賢い選択だと思います。
採用されているBBの確認は各メーカーのHPやカタログから確認できます。
出典 GIANT TCR ADVANCED 2 KOM SE(2020)
長くなってきましたので無理やりまとめますと、「BBもやっぱりSHIMANO製が安心!」というのが私の結論です。
ハンドルの高さと調整幅
一言でロードバイクと言ってもジオメトリーは、メーカー・車種によって様々です。
次のロードバイクは実際にプロがレースで使っているものと同じモデルです。(さすがにパーツ構成は若干異なりますが…)
出典 Bianchi OLTRE XR4 DISC
その次のロードバイクは同社のエントリーモデルです。
出典 Bianchi VIA NIRONE 7
色々と違いはあると思いますが、実際に乗って一番違いを感じるのはハンドルの高さだと思います。
プロ仕様のレーシングバイクはハンドルがより低い位置にあるため乗ると深い前屈姿勢になり、自転車用の身体が出来上がっていない方にとってはかなりしんどいと思います。
またエントリーモデルはフレームとハンドルの間にスペーサーと呼ばれるものが挟まれており、このスペーサー分ハンドルの高さを調整できるため、ある程度乗り慣れてきたらハンドルの位置を低くするなんてことも可能です。(確かオルトレもハンドルの高さはある程度調整できたと思いますが、調整幅は少なめだったと思います。)
実際に調整するとこんな感じで出っ張りができてしまうので、それに抵抗を感じる方もいると思いますが、慣れるとこれはこれでアリな気がしてきます。(笑)

しかし乗車姿勢がキツそうだと頭ではわかっていても、ハンドル位置の低いロードバイクってレーシーでかっこいいので憧れちゃいますよね~( ´艸`)
ここまでうだうだ言ってきましたが、「自分の身体をロードバイクに合わせる」というロックな考えで1台目からプロ仕様のレーシングバイクを買うのも、モチベーション的な観点でいえばアリだと個人的には思います!
クランクの大きさ
クランクはペダルにつながっている棒とギアのことです。(狭義の意味では棒だけのことを指すこともあります。)
出典 SHIMANO FC-R7000
ロードバイクのクランクは2枚歯のものが主流となっていますが、その2枚の歯数によってノーマルクランク、コンパクトクランクなどといった名前で種類分けされています。
歯数は○○Tといった表現を使うことが多く、クランクについては○○Tの数値が大きいほどギア比が大きくなります。
ギア比が大きいとペダルを回したときに進む距離は長くなりますが、その分ペダルは重くなります。
明確な定義があるわけではないらしいですが、ノーマルクランクは大きいギアが52T、小さいギアが39T、コンパクトクランクは大きいギアが50T、小さいギアが34Tくらいのものを指します。
完成車にどのサイズのクランクが採用されているかは、メーカーのHPやカタログから確認できます。
例えば下記スペック表からはコンパクトランクが採用されていることがわかります。
出典 GIANT TCR ADVANCED 2 KOM SE
上記2つのほかには、ノーマルクランクよりは小さいけどコンパクトクランクよりは大きいセミコンパクトクランク、コンパクトクランクよりも小さいスーパーコンパクトクランクなんていうものもあるみたいです。
ここまでだらだら説明してきましたが、初めてのロードバイクであればコンパクトクランクが無難だと思います。
最近(2020年)であればエントリーモデルからミドルグレード下位モデルくらいまでの完成車は大半がコンパクトクランクを採用しているため、あまり神経質に確認する必要はないかもしれません。
ですので注意する必要があるのは、主に初っ端からプロ仕様のハイエンドモデルを買おうとするロックな方だけです。(笑)
ご存じの通り自転車のギア比はクランクの歯数とスプロケットの歯数で決まるわけですので、フロントのクランクが大きいと、軽いギア比を選択しづらくなります。
「前2速、後ろ11速の計22速もあればどうにでもなるでしょ!」と思うかもしれませんが、22速の中には使わない方がよい組み合わせがいくつあるため、実際に無理なく活用できる範囲は意外と狭かったりします。
タブーな組み合わせについて気になる方は「ロードバイク たすき掛け」とかでググるとたくさん情報がでてきます。
※その組み合わせも別に使ってもよいのですが、その状態で走ると変な音がしたりして気持ち悪いと思いますし、チェーンを早く消耗するとも言われています。
また基本的に自転車は軽いギア比でくるくる回すようにして走るのが効率的と言われています。
特に長い坂道や山岳なんかは無理に重いギア比で走ろうとすると、余程の鉄人でもない限りはあっという間に疲れて動けなくなってしまいます。
ギアの軽い重いは人それぞれですが、それなりの運動習慣がない状態でノーマルクランクのロードバイクに乗った場合は、スプロケットの歯数に関わらず全体的に重く感じると思います。
「競技に出るならノーマルクランク!、平坦を速く走るならノーマルクランク!」なんて言う人も一定数いるようですが、ノーマルクランクのアウタートップ(一番重いギア比)じゃないとスプリントできないプロ顔負けの人がアマチュアにいったいどれだけいるんでしょうかね?(1%以下じゃないですか?)
クランクについては同社の同グレードの製品であれば、ノーマルクランクからコンパクトクランク(逆も)に変更できますので、購入後に交換することも可能です。
ただロードバイクのクランクはパーツの中でも高価な部類(安いものでも1万円くらいはする)に入りますので、無駄なお金を使わないためにも購入時によく検討していただくとよいと思います。
スプロケットの大きさ
スプロケットは後輪に付いている歯車の集合のことです。
出典 SHIMANO CS-HG700-11
最近(2020年)のロードバイクの主流は11枚、エントリーモデルであれば10枚、9枚であることが多いです。
枚数については当然多いほど高性能で快適になりますので、ディレイラーと合わせて予算と相談しながら決めていただければと思います。
ここではスプロケットの大きさ(歯数)についてお話したいと思います。
ロードバイクには複数枚のスプロケットが装着されており、それぞれの大きさが異なります。
場面ごとにディレイラーを使って適切なスプロケットにチェーンを掛けることで、自分が望むギア比で走ることができますようになっています。
スプロケットの大きさの組み合わせは様々あり、一番小さいのが11T、一番大きいのが32Tのように歯数の差が大きい組み合わせをワイドレシオ、一番小さいのが11T、一番大きいのが25Tのように歯数の差が小さい組み合わせをクロスレシオといいます。
ワイドレシオとクロスレシオの主な特徴は以下の通りです。
- ワイドレシオ
- 幅広いギア比の選択が可能
- 細かいギア比の調整は苦手
- 変速性能がクロスレシオに比べて同性能のディレイラーでも若干落ちる
- クロスレシオ
- ギア比の選択幅が狭い
- より細かいギア比の調整が可能
- ディレイラーの変速性能を十分に発揮できる
私は初めてのロードバイクであれば、ワイドレシオのスプロケットを使うのが無難だと思います。
ワイドレシオだと場面に応じて幅広いギア比を選択できるため、追い風の時にぐっとスピードを出すこともできますし、急な坂道を軽いギア比ですいすい登ることもできます。
代わりにそれぞれの歯数の差が大きい分、細かいギア比の調整ができないことはありますが、シングルギアや3速のシティサイクルでもない限り、サイクリング用途であれば十分です。
また変速性能については整備士さんの腕に強く依存しますので、きちんとした整備士さんにメンテナンスをお願いすれば、ワイドレシオでもホビーユーザなら十分快適に利用できるレベルになると思います。
最後になりますがスプロケットは比較的安価で交換するのもそれほど難しくないため、購入時はあまり深く考えず、完成車の状態で乗ってみて合わないと感じたら交換を検討する程度で問題ないと思います。
最後に
今回は「初めてロードバイクを買うときに知っていると幸せになれること」というテーマでお話させていただきました。
少しニッチな話も混じってしまいましたが、ロードバイク購入時に頭の片隅に入れておいていただけたら幸いです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。